カスタマイズ

野原工芸 スタンダードボールペンをシャープペンにするカスタムパーツの作り方(芯径0.7mm)

紙とペンのブログ管理者
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記事公開日:2024年6月23日

上の画像はカットの際、工具が必要なパイプを使用しているため、この記事で作成するものとはパイプの色が異なります


人気の野原工芸のシャープペン。以前よりは少しだけ買いやすくなった印象を受けますが、まだまだ人気です(※1)。

ボールペンも人気がありますが、シャープペンよりは若干(本当に若干)入手しやすい野原工芸のスタンダードボールペン。このスタンダードボールペンをシャープペンにするカスタムパーツ(改造パーツ)の作り方です(※2)。

材料がそろえば比較的簡単に作成できます。材料費はおよそ1,000円 です。

野原工芸のシャープペンの芯径は0.5mmのみですので、シャープペンをすでにお持ちの方も0.3mm、0.7mm の芯径を使いたい方 もお試しください。

※1 : 半年に一度の定期販売の際、以前はシャープペンは5分ですべて売り切れているイメージでしたが、2024年下半期分は10数分後もシャープペンが購入出来たようなのでこのような表現をしています。人気が落ち着いてきた?もしくは、販売数自体が増えている可能性もあるので正確なところは不明です
※2 : 2022年上半期納期分、2023年上半期納期分に購入したもので動作確認しています

ただし…

注意点

正規の使い方ではありませんので自己責任でお願いいたします。
> カスタマイズ時の注意点はこちら をご覧ください

リフィルアダプターもあります

4C規格(D型)からパイロットの替え芯(BRFN)へのリフィルアダプターの作り方です。赤、青が廃番になったということでこちらもおすすめです。

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カスタムパーツの作り方

野原工芸 スタンダードボールペンをシャープペンにするカスタムパーツを作る際に必要なもの作り方です。

必要なもの

必要な材料と工具です。まずは材料。

材料

必要な材料(テープ以外)は下の画像のもの。

必要な材料は5つです。

  • ZEBRA シャーボX シャープ部機構
  • 真鍮パイプ(外径2.3mm×内径1.85mm)
  • ビニールチューブ(外径3mm×内径2mm)
  • 端末保護キャップ(2mm用)
  • セロテープ(ニチバン製)

1 ZEBRA シャーボ シャープ部機構

価格は300円(+税)。


2 真鍮パイプ

真鍮パイプ。ベストは 外径2.4mm のパイプなのですが、今回、使用するのは入手しやすいもので 外径2.3mm のもの。Amazonで約400円(2本入)で購入可能です。
模型ショップ(プラモデル、鉄道模型を扱うお店)などで取り扱っていることが多いようです。ヨドバシカメラ(秋葉原)でも販売されていました。

Q
使用しているパイプについて(クリックで開きます)

この記事で使用している真鍮パイプはパイプ3本中の真ん中のものです(右の黒いものは0.7mmのシャープの芯です)。

一番左のものが 外径2.4mmでベストな太さ なのですが、パイプに厚みがあるのでカットしにくいのと内径が細すぎて予備芯を入れると最初の芯が出せません。

右シルバーのものは 外径2.3mm でパイプが薄く、使えるのですが、カッターではカットすることができません(別に工具が必要です)。

この記事では ”比較的簡単に作れる方法”(再現性のある方法) ということでカットしやすい3本の中の真ん中の 外径2.3mm の真鍮パイプを使用しています。

シャーボのシャープ部機構の赤線の太さが2.4mmです。


3 端末保護キャップ

ホームセンターであれば200円ほどで購入できます。
2mm用。

私が使用しているものは下の画像のもの。


4 ビニールチューブ

外径3mm内径2mmのビニール製のチューブ。こちらはホームセンター等で量り売りの場合、100円ほどで購入可能。

末端保護キャップをカットしてビニールチューブの代用にすることも試したのですが、端末保護キャップには個体差がある(厚みが違うことがある)ようです。厚みがあり過ぎてペン先が出てこない時がありました。そのため、今回は個体差の少ないビニールチューブを使用しています。

シリコン製のチューブでも可能なのですが、ビニールチューブと比較して価格が5倍近くするのでビニールチューブとしています。
また、シリコンチューブの方がシャープ部機構にセットするのは楽ですがシリコン製の場合、ビニールチューブよりも少し長めにカットしてください。伸縮するため。セットする時楽なのと同時に、ペンにセットした時、ビニールチューブよりも縮みます。

工具

続いて工具です。
工具というほどのものではありませんがこの記事では”工具”とします。

必要な工具は1つ。あった方がいい工具は3つ

まず、必要な工具。

  • カッター

次に、あった方がいい工具。

  • ハサミ
  • 金ヤスリ もしくは 紙ヤスリ
  • ゴム板(2枚)
必要な工具

必要な工具です。


1 カッター

あった方がいい工具

あると作業を楽に進めることができる工具です。


1 ハサミ

ビニールチューブを切る際に使います。カッターでもカットすることもできますが、ハサミでのカットの方が容易です。


2 金ヤスリ もしくは 紙ヤスリ

パイプの長さを調節する際に使用します。一発で理想の長さにできればいいのですが、なかなかうまくいかないと思います。金ヤスリでなく紙ヤスリでも削ることは可能です。


3 ゴム板(2枚)

端末保護キャップをセットする際、ビニールチューブをセットする際にあると作業が楽になります。ゴム板があっても指先が痛くなることがあります。

作り方

作り方です。

真鍮パイプをカットする

真鍮パイプをカットします。

真鍮パイプにテープを巻く

STEP1 でカットした真鍮パイプの片方に1回転テープを巻きます。

真鍮パイプに端末保護キャップをセットする

STEP2 でテープを巻いた反対側に端末保護キャップをセットします。

ビニールチューブをカットする

ビニールチューブをカットします。

シャープ部機構にビニールチューブをセットする

シャープ部機構にビニールチューブをセットします。

組み立てる

STEP3 までで用意した真鍮パイプと STEP5 までで用意したシャープ部機構を接続します。

ここからは画像付きで詳しく解説します。


STEP1 真鍮パイプをカットする

60.5mm(※) でカットします。

※ : おすすめの長さとなります。多少のズレ(±0.5mm程度)は問題ありませんが長すぎても短すぎてもノックできなくなくなります

パイプをカットする際、私は下の画像のような太いパイプを2本くっつけたものにノコギリで切れ目(この溝にカッターの刃がはまりカットやすい)を入れたパーツでカットしています。
平らな台の上で転がすことでもカットできますが、サポートグッズがあるとさらに作業が楽になります。

カットして短くなってしまうと戻せないので、気持ち長めにカットしてヤスリで調整する方法が間違いありません。

カットしたいところにマスキングテープを巻く

■ カットする長さの線が入るまでゆっくり×3 回転させる
■ 気持ち長めにカットして削る方が失敗が少ない

上の画像では巻いていませんが、カットする際、下の画像のようにマスキングテープ(白い箇所がマスキングテープです)を巻いて赤線の位置をカットすれば狙った位置でカットできます。

Q
パイプカッターについて(クリックすると開きます)

”パイプカッタ―” と言われるパイプをカットするための工具が市販されています。しかし、パイプカッターがカットできるパイプの太さが 3mm~ ということで今回使用するパイプの太さは対応しておらず、カットすることができません。

小型サイズのものを私も所有していろいろ試したのですが正確に(カットしたい長さに)カットすることができませんでした。


STEP2 真鍮パイプにテープを巻く(ギリギリ1回転)

ニチバン製の”セロテープ”(商品名)を想定しています(赤と青と白のパッケージのテープです)。ニチバンセロテープは厚みが0.05mmのため1回転で 真鍮パイプの 外径2.3mm+0.05mm+0.05mm で 外径2.4mm になります。
緩く巻くとシャープ部機構にセットできなくなります。

■ 気持ち強めに巻く

下の画像の赤線の箇所がテープを貼ったところです。7~8mm の長さでOKです。


STEP3 真鍮パイプに端末保護キャップをセットする

テープを貼った反対側に端末保護キャップをセットします。
この際に真鍮パイプと端末保護キャップをゴム板で挟んで行うと楽にセットできます。


STEP4 ビニールチューブをカットする

11mm でカットします(※)。
カッターでカットするよりもハサミでカットする方がカットしやすいです。

※ : 0.7mmの芯径の時、おすすめの長さです。芯径0.3mm、0.5mmを使う場合、0.7mmと先端の形状が若干異なるため9mmがおすすめです。しかし、ペン先の長さ(バランス)は好みがあると思うので 絶対にこの長さでなければいけないというものではありません


STEP5 シャープ部機構にビニールチューブをセットする

ビニールチューブをシャープ部機構にセットします。
この際にゴム板で挟んで行うと楽にセットできます。

下の画像の青線のところが 67mm です。この長さによりボールペンのペン先から出るシャープ部機構のティップ(ガイドパイプ)の長さが変わります。

■ 先端が 6~7mm 出ている状態(※)がおすすめ

※ : ビニールチューブが被っていない状態


STEP6 組み立てる

真鍮パイプとシャープ部機構を組み立てます。以上で完成です。

完成品

完成品は下記の画像です。

おすすめの長さで完成品をセットした際のペン先のティップ(ガイドパイプ)の長さは下の画像です。
個人的にこのくらいのバランスがカッコいいと思い、この長さに落ち着きました。

ティップ(ガイドパイプ)を指でつまんで動かすとわずかに動きますが、ビニールチューブが緩衝材になっている ということで金属同士が接触するまでは動かないので金属音はまったくしません。
実際に筆記した感覚ですが、こちらもビニールチューブと末端保護キャップが衝撃を吸収してくれるようで快適な筆記が可能です。

グラつきゼロを目指すならマスキングテープを試してみる価値はあるかもしれません。今度、試してみます。

芯の補充について注意点

芯径0.7mmの場合、芯が太いため芯タンクに2本しか入れることができません。

Q
管理人のつぶやき(クリックすると開きます)

インターネットで真鍮パイプの 外径2.4mm×内径2.2mm というものを見つけて「これだ!」と思い購入しました。実際、自宅に到着して手にしてみると外径2.5mmで使えませんでした。「この0.1mmの差が大事なのに……」と思いました。

0.3mm、0.5mmに関しては3本入れた状態で使えることを確認しています。3本以上入りますが何本まで可能かは確認していません。

0.7mmは芯径があるため3本入れると1本目の芯が出てきません。もっと内側が広く、加工が簡単なパイプを探しています。見つかった際にはこの記事を更新します。
→ 入手は少し難しい(オンラインショップでは購入不可)のですが最高のパイプを発見しました(下記参照)

最高のパイプを発見しました!

最高のパイプを発見しました。真鍮パイプ 外径2.4mm×内径2.0mm というものです。
このパイプの場合、芯タンクに0.7mmの芯を3本入れた状態から使うことができます。そして、カッターでカットすることもできます。入手できそうな方はお試しください。
ちなみに私は秋葉原の鉄道模型のお店で入手しました。秋葉原…スゴイ!

私はオンラインショップでは購入していません(実店舗で購入)がこちらで購入できそうです。参考にリンクを貼っておきます。IMONオンラインショップはこちら。

現段階ではこのパイプがベストなパイプと思われます。

こんな時どうする?

作成途中、使用中に発生した問題がいくつかありましたので掲載します。

Q
こんな時どうする?(クリックで開きます)

ペン先が最後まで閉まらない

画像のように先端の金具が10mmくらい閉まらない時があります。これはボールペン時のリフィル(替え芯)が出ている状態です。ノックボタンを1度ノックすれば閉めることができます。

ノックできない

「パイプが長すぎる」、「末端保護キャップがしっかりはまっていない」かもしれません。確認してみてください。
末端保護キャップは少し個体差がある(厚みが違うことがある)ようです。別の末端保護キャップにするとノックできるようになる可能性があります。

ちなみに私が作成したカスタムパーツ完成品の長さは 94mm~95mm です。ペン先のティップ(ガイドパイプ)の長さによりますが個人的には 94mm がベストと思っています。

ノックしても芯が出てこない

芯タンクに予備の芯を入れすぎていませんか?
芯の太さが0.7mmの場合、芯どうしがぶつかってしまい、シャープ部機構の先端まで芯が移動できないため、芯が出てこないことがあります。0.7mmの場合、最大2本(筆記中の芯1本、予備芯1本までが確実です)にしてください。

おすすめの長さでもペンにセットして1回目の時、ノックしても芯が出てこない時があります。そのような時は1回目のノックをいつもより少し強めの力でノックして、その後、何回かノックしてください。カスタムパーツが理想の位置に移動して芯が出てくるようになります。

まとめ

上の画像はカットの際、工具が必要なパイプを使用しているため、この記事で作成したものとはパイプの色が異なります

以上が野原工芸 スタンダードボールペンをシャープペンにするカスタムパーツの作り方でした。

人気の野原工芸のシャープペン。以前より少しだけ買いやすくなった印象を受けますが、そうは言ってもまだまだ人気です。

シャープペンと比較すると若干入手しやすい野原工芸のスタンダードボールペンをシャープペンにできるので、このカスタマイズはおすすめです。

どちらも使えるのだったら、シャープペンよりボールペンを購入した方がいいのでは?と思ってしまうほどです。

材料の入手ができればご家庭にあるものだけでも作成できます。もちろん簡単にボールペンに戻すこともできますので、気分によってボールペン、シャープペンと使い分けることもできるので楽しみ方がより一層広がりますね。

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文房具(特に筆記具)が好きなサラリーマン。万年筆は約100本・ボールペンも約100本・シャープペンは約50本、木軸ペン、その他筆記具(フェルトペン、蛍光ペン 等々)も数え切れないほど購入しています。最近は海外のお店から万年筆のペン先を購入し、カスタマイズを楽しんでいます。壊してしまった万年筆が何本もあります。

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