【初心者向け】万年筆の選び方|4つのポイントを解説

この記事では ”万年筆を使ってみたい!” と思っている方に購入時のポイントを解説します。

安いものでは数百円、高いものだと 10万円以上するものもあり、幅の広さに驚く方もいるでしょう。
まずは 1,000円程度の物からはじめて ”万年筆ってこんなものか…” とはじめてみるのがいいと思います。

好みの万年筆が見つかると字を書くことが楽しくなりますよ。

この記事でわかること

■ 万年筆を選ぶ際の 4つのポイント

この記事を書いた管理者
これまでにプチプライス万年筆(1,000円未満のもの)を除いて、約100本の万年筆を購入してきました。

先日、ふと金額を計算したら…、〇00万円を超えていました。
そこそこの車が新車で買える金額でした…。

選ぶ際のポイントを解説

はじめに気にすべきポイントは下記の 4つです。

  • 価格(予算)
  • 字幅
  • インクの補充方法
  • デザイン

ひとつずつ解説していきます。
少しでも参考になればうれしいです。

万年筆の選び方の 4つのポイント

ポイント1:
価格(予算)

まずは価格(予算)です。

万年筆は高いというイメージがありますが、1,000円以下の低価格から数万円の高級タイプ、10万円を超える超高級タイプまでと上を見ればキリがないほど価格の幅があります。

価格が高いほど良いものかというと一概にはそうとはいえません。
手が小さい人は小ぶりのものが使いやすいですし、逆に手の大きい人は小ぶりだと使いにくいです。
自分に合うものを探すのも万年筆の楽しみのひとつです。

最近では初心者にも手に取りやすい低価格帯で高品質のものも多く販売されています。

品質でいえば日本製が間違いなく(ハズレが少ない)、はじめての方は日本製がおすすめです。

予算に合わせて調べてみるとよいでしょう。

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価格帯で分類したおすすめの万年筆です。
下は 1,000円 から上は 10万円を超えるものまで約30本掲載しています。
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ポイント2:
字幅

つぎにペン先の太さ(字幅)です。

ボールペンやシャープペン同様、万年筆にもペン先(字幅)の太さがあります。

ボールペンの場合、リフィル(替え芯)を変更することにより字幅の変更が可能です。
しかし、万年筆はペン先は(基本的に)変更ができないので用途に合わせて選択する必要があります。

代表的なペン先の太さと、おおよその用途を覚えておけば困ることはないです。
一般的には下の表のように分類されると覚えていれば問題ありません。

細さ記号主な用途
極細字EF/XF手帳等の狭いスペースへの筆記
細字F手紙、ノート等 幅広く使用
中字M手紙、大きめの字
太字B宛名やサイン

ただ、これは一般的な分類です。
普段から大きめの文字を書く方であれば ”中字”、”太字” がいいでしょう。
小さい文字を書くことが多いのであれば ”細字”、”極細字” がいいでしょう。

メーカーよってペン先の太さの種類展開が多い商品もあります。

また、万年筆の字幅は厳密に太さが規定されているわけではなく、メーカー独自の基準によるもの になります。

字幅のサンプル

日本三大万年筆メーカーの字幅サンプルです。

  • パイロットのサンプルは こちら
  • セーラー万年筆のサンプルは こちら
  • プラチナ万年筆のサンプルは こちら

各社 公式サイトのリンクです

すでに記載しましたが、万年筆は(基本的に)ペン先の変更はできません。
しかし、同じペン先でも使い方によって、字に強弱をつけられるので味のある字を書くことが可能です。

特殊なペン先

特殊なペン先もあります。

筆記する角度によって太さが変わるもの、毛筆をイメージしたやわらかいものなどもあり、奥が深いです。

セーラー万年筆のzoom(特殊ニブ)。1本の万年筆で異なる線を筆記できます

海外製は字幅が太めの傾向

海外製(主にヨーロッパ )の万年筆は日本製と比較して字幅が太い傾向にあります。

日本語では漢字のように画数の多い文字を使用しますが、海外ではローマ字・アルファベット等を筆記することが多いため、そこまで細くある必要がないためです。

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ポイント3:
インクの補充方法

つぎにインクの補充方法です。

万年筆によってインクの補充方法が異なります。
インクの補充方法により大きくわけて ”カートリッジ式” と ”吸入式” があります。

カートリッジ式 に コンバーター を付けて吸入式のように吸入する ”カートリッジ/コンバーター両用式” もあります。

自分が使うシーン(外出先で使うのか、自宅で使うのか)を考えて選ぶのがポイントです。

一般的なインクの補充方法

カートリッジ式

カートリッジ式は手軽にインクの補充ができる方法です。
万年筆を外出先で使うシーンが多い人は、インクの予備の持ち運びが簡単なカートリッジ式がおすすめです。

補充方法が簡単なので初心者におすすめです。
しかし、万年筆と同じメーカーのカートリッジを選ぶ必要(※)があったり、ボトルインクほどインクの色のバリエーションが無いため、好きなインクが使えないデメリットがあります。

また、1本ずつ小分けされているためボトルインクと比較すると割高になります。

※ : 欧州規格(ヨーロッパ規格)といわれるものがあり、ヨーロッパのメーカーが使用している共通の規格もあります。欧州規格の場合、他メーカーのカートリッジでも使用できます

カートリッジ式のメリット/デメリット

メリットデメリット
補充が簡単
メンテナンスが比較的簡単
色の種類が少ない
メーカーの物を使う必要がある
コスパが悪い

吸入式

ボトルインクへ万年筆のペン先を浸してインクを吸入する方法です。

補充にひと手間かかるのと、ボトルからのインクの吸入のため、インクの予備の持ち運びが難しいのがデメリットですが、万年筆を使う醍醐味を味わえるインクの補充方法です。

一般的には尻軸を回転させて吸入するものが多いです。

デメリットとして ”メンテナンスがしにくい” があります。

吸入式万年筆 アウロラ オプティマ

カートリッジ/コンバーター式は首軸から取り外すことができ、水へ付け置き洗浄することが可能なのに対して、吸入式は分解できないことが多く、メンテナンスに少し手間がかかります。

分解できるものもありますが、分解することにより メーカーの保証を受けられなくなる 場合もありますので注意が必要です。

吸入式のメリット/デメリット

メリットデメリット
コスパがいい
いろいろなインクが使える
インク量が多い
補充の際手間がかかる
外出先では補充が難しい
メンテナンスが若干手間

カートリッジ/コンバーター両用式

コンバーター式(両用式)は取り外しができるコンバーターで、吸入式のようにインクを入れたり、コンバーターを取り外してカートリッジインクをつけることもできる両用式のタイプです。
カートリッジ式と吸入式のいいとこどりといったところです。

使用するシーンに合わせて吸入式、カートリッジ式と選ぶことができるのがメリットです。

首軸にコンバーターを装着した状態

コンバーターは着脱を繰り返すと、口が緩くなり、外れやすくなります。
必要以上に着脱はしない方がいいです。

現在、発売されている多くのものがこのタイプ(カートリッジ/コンバーター両用式)です。

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ポイント4:
デザイン

最後のポイントはデザインです。

万年筆は ”少ない力でサラサラ書ける”(疲れにくい)、”好きな色のインクが使える” 等があります。
そして、見逃せないのは ”デザインの多彩さ” です。

カジュアルに使えるもの、軸が美しいもの、高級感あふれるもの まで様々なデザインがあります。

ボディの色合いがカラフルで樹脂製のものはプライベートで、黒や紺など落ち着いた色のものはビジネスシーンで、等 複数持って用途によって使い分けをするのも万年筆を使う楽しみのひとつです。

海外製は美しい軸のものが多い傾向にあります。

軸が美しい レオナルド ノスタルジア

『”万年” 筆』 というくらい長年使うことができるので、自分の予算を考えつつ、持っていてテンションが上がったり、ステータスがアップするようなメーカーのもの、いろいろ考え方がありますが毎日が楽しいものになることは間違いありません。

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その他 抑えておきたいポイント

基本的な選ぶポイントはこれまでに紹介しました。
ここからは必ずではないですが、選ぶ際にプラスで知っているといい項目です。

2本目、3本目が欲しくなった場合はいろいろ試してみるとまた楽しいです。

ペン先の素材

現在の主流は 2つあります。

1つ目は「鉄ペン」(ステンレス)、2つ目は「金ペン」(金)です。
万年筆で使用される金は 14金、18金、21金です。
金の純度が高い(14金 < 18金 < 21金)方が価格が高くなります。

最近では「チタン」などのペン先もあります。

「鉄ペン=硬い」というイメージがあるかもしれませんが、素材そのものの硬さよりもペン先の形状の方が筆記の際の硬さに影響します。

ペン先が金だから書きやすい” では ありません

パイロットのペン先。一番左が14金、中央と右側はステンレス

鉄ペンでもやわらかい筆記感のもの、金ペンでも硬い筆記感のもの、メーカー・同じメーカーでも商品によっても様々です。

素材によって価格も大きく異なります。
鉄ペンの方が安価です。

金ペンですと安くても日本製では 1万2千円程度から。
海外製の場合、おおよそ 3万円から購入可能です。

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軸の太さ

太さによって疲れ方が異なります。

太い軸の万年筆は握る際の力が分散されます。
そのため、手の一部分だけが疲れる(痛くなる)ことが減ります。

長時間筆記したい場合、太い軸を検討するといいです。
しかし、太い軸の物は小さい文字を筆記するのは向きません。
筆記したい文字のサイズ(筆記する用紙のサイズ)も考慮する必要があります。

手の大きさも関係してくるので総合的に判断する必要があります。

細いもので直径10mm程度から太いものだと15mm程度のものが多いです。

太さがこんなに違うものも…

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便利な機能

商品によっては万年筆に搭載されている便利機能です。

乾燥対策

万年筆の一番の敵は ”乾燥” です。

保管する条件によって異なりますが、1週間程度使わないだけでペン先が乾燥してしまい、筆記できなくなることもあります。

乾燥対策としてキャップにバネが内蔵されていて、気密性を高め、ペン先を乾燥から守ってくれるものもあります。

バネ付きのインナーキャップ

キャップがない

万年筆は通常、ペン先を乾燥から守るため キャップがあります。

その大切なキャップをなくして、ノック式にして手軽に筆記できるようにしたものもあります。

キャップ式と比べると乾燥しやすいということにはなってしまいますが、長期間(数週間程度)筆記しないことがないのであれば、手軽に使えることは間違いありません。

ノック式万年筆のパイロット キャップレスとプラチナ万年筆 キュリダス

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インクについて

メーカーは通常、自社製のインクの使用を推奨します。
万年筆に慣れるまでは万年筆の メーカーのインクを使う方がベター です。

理由は、製造のテストの際は当然のことながら自社メーカーのものでテストします。
そのため、自社製インクが最もいいパフォーマンスを発揮できます。

…というのは建前で、実際のところ他社のインクを使っていて万年筆が壊れたことはありません。
ただ、相性がいい相性が悪い があるのは 確か です。

※ : 相性が悪いとインクの出が悪くなったり、逆に出すぎたりすることがあります

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万年筆のパーツ名称

万年筆の各パーツの名称です。

吸入式

吸入式万年筆‐各パーツ名称

カートリッジ/コンバーター両用式

ペン先について

万年筆は基本的に字幅を変更することができませんが、海外であれば様々なペン先を購入することもできます(国内でも数は少ないですが購入することも可能)。

日本三大万年筆メーカーはペン先を各社それぞれで作成しています。
しかし、海外ではペン先を専門で作成している会社があり、万年筆メーカーではそれらを使用している場合があるためです。

有名なところで ”BOCK”(ボック)、”JOWO”(ヨボ)、”SCHMIDT”(シュミット)があります。

下の画像のようにネジ式で外すことができるものは同じメーカー、サイズのものであれば簡単に交換ができます。

ペン先の名称

実際に紙に触れて 線を描くのは ”ペンポイント” です。

ですので ”ペン先が金だから削れやすい” というのは 間違い です。
削れるとしてもペンポイントです(ペンポイントがなくなれば金であるペン先が削れますが…)。

万年筆-ペン先の名称-1
万年筆-ペン先の名称-2
ペン先を購入するには…
海外のサイトではありますが「FPNibs」検索してみてください。
JOWO社、BOCK社をはじめ、様々なメーカーのニブを購入できます。私も何度か購入しています。
スペインのお店なので送料が 4,000円弱程度期間は 1週間程度 必要です。
商品の価格によっては 関税が必要 となります。

メンテナンス

万年筆は ”使うことが最大ンメンテナンス” といわれます。
使うことによりインクが流れ、メンテナンスされるということです。

毎日使っていても定期的に必要なものとして洗浄があります。
洗浄のやり方は別の記事にまとめいていますのでご覧ください。

関連記事
万年筆の洗浄方法の解説です。
≫ 万年筆の洗い方
(ブログ内のリンクです)

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まとめ

万年筆を選ぶ際のポイントと万年筆の基本的なことを紹介しました。

選ぶ際に気にすべきポイントは下記の 4つ。

  • 価格(予算)
  • 字幅
  • インクの補充方法
  • デザイン


デジタル化が進み、手で文字を書くことが減ってきている現代ですが、文字を書くことがなくなることはないでしょう。

手書きの文字のよさ(味)、手書きでなければ伝わらないものがあると信じています。

私は字がキレイではありませんが、手書きが大好きです。

少しでも万年筆に興味を持ってもらい、たくさんの方に万年筆を使ってもらえるようになると嬉しいです。

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どちらもブログ内のリンクです。

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≫【価格帯別】おすすめ 万年筆

万年筆の楽しみ方のひとつのインク。
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