ライティブ|はじめての万年筆に最適(パイロット|万年筆)【レビュー】
記事公開日:2021.12.04

2021年12月にパイロットから発売された『LIGHTIVE(ライティブ)』万年筆。定価は 2,000円(+税)。新仕様のインナーキャップでペン先が乾燥しにくく、パイロットの大型コンバーター(CON-70)も使用可能。思い切り使えるコストパフォーマンスがいい万年筆です。
これまでプチプライズ万年筆を除き、約100本の万年筆を購入してきた管理者がレビューしていきます。
パイロット エントリークラス万年筆
パイロットの万年筆で初心者向けと言えば ”カクノ” が大人気です。少し価格が上がると ”コクーン” もあります。ライティブはその中間。
可愛い ”カクノ” と金属軸の少し大人向けの ”コクーン” の間の万年筆、ライティブ。

3本ともすべてペン先(ニブとペン芯)は全て同じ、つまり書き味は変わりません。
上の画像はコクーンと同じ価格(3,000円)のプレラ。こちらも同じペン先。
万年筆の弱点である ”乾燥” に強い機能がプラスされたライティブ。
いざ、使おうとしたら ”ペン先が乾燥してしまって書けない…” 私も万年筆を使い始めたころに経験しました。この不安から解放してくれます。
もし私が「はじめての万年筆は何がいいですか?」と聞かれたらこの ”ライティブ” をおすすめします。
※ : 「みんなのレビューを見る」は ”楽天 みんなのレビュー” に移動します
■ ライティブを分解し、調べた詳細な情報
■ カクノ(KAKUNO)との違い
この記事を書いた管理者
これまでにプチプラを除いて約100本の万年筆を購入してきました。
最近では海外からペン先を購入してカスタマイズを楽しんでします。それらの知識をもとに記事を記載しています。
ライティブ(LIGHTIVE)の基本情報

商品名 | ライティブ (LIGHTIVE) |
発売日 | 2021年12月8日 |
価格(税抜) | 2,000円 |
インク補充の方式 | カートリッジ/ コンバーター両用式 |
カートリッジの規格 | メーカーオリジナル |
重さ(※ 1) | 12.5g |
キャップの形式 | 嵌合式 |
ペン先 | 特殊合金 |
字幅(太さ) | F(細字)・M(中字) |
付属品(※ 2) | カートリッジインク 1本 |
※ 1: カートリッジ、コンバーターを含まず。カラーにより重さが 0.数g レベルで異なります。計測したカラーはアクティブイエロー。ちなみに 単四乾電池 1本が 約12g です
※ 2: 黒インクが 1本付属。コンバーターは別売り
ライティブ(LIGHTIVE)レビュー
パイロット 万年筆 ライティブ(LIGHTIVE)。
この価格(2,000円(+税))でこの機能性(ペン先が乾燥しにくい、書きやすい、携帯しやすい)、品質、デザイン。非常にコスパが良く、ガシガシ使えます。
インクカートリッジも付いているので購入後すぐに使用可能。
はじめての万年筆にもおすすめしたい 1本です。
スペックの他、公式サイトにはない詳細情報と、実際に使用した感想を記載しています。
ライティブのいいところ
抜群のコストパフォーマンス
万年筆としては低価格帯。万年筆初心者の方でも購入しやすい価格で、コストパフォーマンスが抜群 です。
パイロットの 3,000円クラスのペン先と同じにもかかわらず、乾燥に強い新仕様のインナーキャップ(この後に記載)が搭載されています。
新仕様のインナーキャップ搭載
”万年筆は乾く” という点を心配する人は多いはず。新仕様インナーキャップで ペン先の乾燥という不安から開放(※) されます。
※ : 乾燥しにくいです。”たま~~~に使いたい” という方でも 1本持っていると重宝します。

新仕様のインナーキャップを詳しく
キャップは嵌合式(かんごうしき)。「パチン」と締めるタイプです。
”新仕様インナーキャップ” で高い気密性を実現し、万年筆の弱点であるペン先の ”乾燥” から守ってくれます。
下の画像はキャップの内側を上から撮影したもの。
画像の一番奥にある白い(半透明)箇所がインナーキャップです。

新仕様のインナーキャップを分解
キャップをしめる時、独特の感覚があります(”ヌッ” と入り込む感じ)。
分解したところバネが内蔵されていました。インナーキャップが空気の侵入を防ぎ、ペン先を乾燥から守ってくれます。
どのくらい乾燥しないか実験したところ ”1年” 乾燥しませんでした。
それ以上、使わないのなら必要のない筆記具だと思うので1年で実験を終了しました。
下の画像がインナーキャップとバネ。

大型コンバーター(CON-70)が使用可
パイロットの大型コンバーター CON-70が使用可能。お気に入りのインクで大量の文字を書くことができます。
コンバーターは付属していないので別で購入する必要がありますが、CON-70 が使える ところが嬉しいです。
パイロットで大きい方のコンバーター。約 1.1ml(※注)のインク吸入が可能。カートリッジ(約 0.9ml)よりも多いです。
下の画像がCON-70。

CON-40 も使えます。インク吸入量は約 0.6ml(※注)(公式では 0.4ml)。
気になるところ
個人的には下記が気になりました。
※ 1 :これはしばらく使ってみないとなんとも言えないです。ですが、世界のパイロットです。きっと素晴らしい性能のはずです。
こちらは実験しました(1本 使わずに保管しました)。上にも記載の通り、1年は 乾燥(ドライアップ)しませんでした。
厳密には 1ヶ月に1度 1、2ミリ筆記して書けるかチェックしました。
下の画像が 1年間 保管した際のカートリッジ。3分の1 も残っていませんが筆記可能でした。

これだけ十分すぎるほど乾燥に強いのであれば、顔料インクも気にせず使えそうです。
ライティブプレスリリースは こちら
※ 2 : 少し ”軽すぎるのでは?” というのが正直な印象です。ですが、商品名が『「LIGHT(軽い)」と「ACTIVE(活動的)」を組み合わせた造語』がコンセプトなので…というところです。CON-70を使ってほど良い重さになる印象です。
スペック詳細
詳細情報です。
サイズ(長さ・太さ)・重さ

中央の値(赤い文字)がライティブの値です。
計測箇所 | サイズ (ライティブ) | サイズ (カクノ) |
全長 | 142mm | 132mm |
キャップをはずした長さ | 128mm | 129mm |
キャップポストした時の 長さ | 162mm | 160mm |
キャップのみの長さ | 58mm | 57mm |
胴軸最大径 | 12.4mm | 12.4mm |
キャップ最大径(※ 1) | 13.5mm | 14.0mm |
※ 1:クリップは除く
計量パーツ | 重量 (ライティブ) | 重量 (カクノ) |
全体(※ 2) | 12.5g | 11.2g |
軸部のみ | 6.8g | 7.5g |
キャップのみ | 5.7g | 3.7g |
※ 2:カートリッジ、コンバーターを含まず。カラーによって 0.数g レベルで差があります。測定したのはアクティブイエロー。ちなみに 単四乾電池 1本が 約12g です
造り(素材・外観の特徴)
ほぼ樹脂製で非常に軽いです。外観の素材として、胴軸、首軸、そして、キャップは樹脂、クリップ部のみ金属です。

両先端にある黒いパーツがアクセントになって引き締まって見えます。


形状
形状はほぼストレートの形状。グリップ形状は カクノとは異なり三角形ではなく通常の形状(丸軸)です。

クリップ
しっかりした造りです。金属製マット仕上げで落ち着きがあります。横方向にグラつくといったこともありません。

カラー展開
下記のカラー展開です。
- アクティブイエロー(メインで掲載の色)
- アクティブネイビー
- アクティブレッド
- マットブラック
- アクティブホワイト
- ノンカラー(クリア)
”マットブラック” のみマットな質感で手触りがしっとりしています。
ペン先
ペン先(ニブ)は特殊合金製。首軸は黒の半透明。字幅は F(細字)、M(中字)の 2種類 です。
上位機種とも同じ、ペン先です。左が プレラ 色彩逢い、右が ライティブ。ニブのサイズ・形状は同じです。

書き味
書き味はパイロットの 安定の書き味 です。
パイロットの万年筆は日本三大メーカーの中で一番インクフローが良いです。クセのない、万人受けする書き味。ライティブは若干硬めの書き味です(カクノ、コクーン、プレラ等 とペン先が同じ)。
F(細字)はカリカリ感はありますが、紙を ”引っかく” 感じはありません。M(中字)はかなりなめらか。下手な金ペンよりなめらかかもしれません。
書き味は”好み”の要素が大きい
書き味に関しては人により感じ方、好みが異なります。とにかくなめらかなものが好きな人、ある程度引っかかりがある人ものが好きな人 と様々です。
個人的に、パイロットは ”サラサラ”、セーラー万年筆は ”サリサリ”、プラチナ万年筆は ”シャリシャリ” というたとえがしっくりきます。
ただ、個人的な感想ということをご承知おきください。
字幅サンプル(字幅の太さ)
字幅のサンプル画像です。

万年筆は個体差、筆圧の違いで字幅が異なりますので参考程度でお願いいたします。
紙はマルマン ニーモシネ方眼(5mm)、ライティブのインクは パイロット ブルーブラック です。比較のためにジェットストリーム、アクロインキ ボールペンも並べました。
バランス
キャップポストするとクリップが金属製のため、ほんの少しだけ高重心になります。


カクノ(KAKUNO)との比較
”サイズ”・”重量”(※)、”形状” は当然ですが異なります。
機能面で大きな違いは下記表の通りです。中央(赤い文字)がライティブのものです。
※ : 具体的なサイズ・重さ等の数値は上で記載の「スペック」参照
ライティブ | カクノ | |
クリップの あり/なし | あり | なし |
キャップの 空気穴 | 空気穴なし (新仕様インナーキャップ) | 空気穴あり |
外観の比較
外観の大きな違いといえばクリップの有無。インナーキャップの仕組みも異なります。

上がカクノ、下がライティブ。クリップはありがたいです。

ペン先はニブは刻印が異なるものの形状は同じ。
左がカクノ、右がライティブです。

ペン芯。
こちらも左がカクノ、右がライティブ。ペン芯も同じもの。

※ : ライティブは赤インクで使用中なので色が付いています
まとめ
ライティブ(万年筆|パイロット)のレビューを行ってきました。
最後に特徴をまとめます。
- コスパが良く、思い切り使える
- ペン先の乾燥の不安から解放してくれる
- 好きなインクでたくさんの文字が筆記できる
- はじめての万年筆にも使いやすい
”カクノ” は素晴らしい万年筆ですが、デザイン的に ちょっと… というところがあります。ライティブ のデザインであれば大人でも使えると思う方も多いと思います。
嵌合式のキャップなのでネジ式よりも さっと筆記できます。気を使わずに思い切り使う(ガシガシ使う)万年筆にピッタリです。
ライティブ(LIGHTIVE)
※ : 「みんなのレビューを見る」は ”楽天 みんなのレビュー” に移動します
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